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ポリウレタン入りの洋服に乾燥機はOK?正しい乾燥方法とは

忙しい毎日に乾燥までしてくれる洗濯機があると、干す手間がなくなり家事の時短ができますよね。しかし、日常着に多いポリウレタンの含まれた洋服は、「乾燥機不可」の表記が多いようです。今回は、乾燥機とポリウレタン製品の扱い方について解説します。

さまざまなアイテムに使われるポリウレタン

アイテムによって混紡率は異なりますが、家庭洗濯対象の多くの日常着に使用されているのがポリウレタンです。まずは、ポリウレタンの特徴についてみていきましょう。

高いストレッチ性

人気の秘密はやはり高いストレッチ性で身体の締めつけや動きに対する制限を解消したことでしょう。日常着ではスキ二ーパンツなどストレッチ性の高いアイテムに含まれ、伸びない素材と組み合わせることで、快適な着心地をあたえてくれています。

軽量で身体の動きに合わせた伸縮が必要なスポーツウェアにも多く使われ、特にフィット感の必要な水着は代表的なアイテムです。また、インナーウェアや下着にも欠かせない素材となっています。

ポリウレタンの特性

もはや日常生活に欠かせない、唯一の伸縮繊維であるポリウレタンには、いくつか残念な特性があります。まず、熱と摩擦に弱いことが挙げられます。また、紫外線に弱いので長時間の直射日光も劣化の要因となります。

中でもポリウレタンのもっとも残念な特性は、経年劣化が避けられず消費期限は製造から約3年だという点。消費期限を迎えたポリウレタンは脆化し、繊維の断絶などでストレッチ性がなくなり、断絶した繊維が飛び出したりしてしまいます。

乾燥機の特徴

最近は洗濯機能付きを始め、様々な機能の付いた便利な乾燥機が発売されていますが、乾燥機の基本は熱風を使って衣類を乾燥させることで、その方法は大きくわけて2種類あります。

ヒーター式乾燥

ヒーター式乾燥はドライヤーのように衣類に直接熱風をあてて乾燥させる方法です。槽内の温度は約70~80度の高温になっており、洗濯表示では「高(ドット2個)」の表示に該当する温度です。この方法では、衣類が縮みやすい傾向にあるので、注意が必要です。

ヒートポンプ式乾燥

ヒートポンプ式は湿気を含んだ空気を除湿し、機外に排水。乾いた温風で衣類を乾燥させる方法です。槽内の温度は約60度以下です。洗濯表示では「低(ドット1個)」の表示に該当する温度です。直接衣類に熱風を当てるヒーター式と比べると、衣類は縮みにくい傾向にあります。

ポリウレタン製品の乾かし方

ポリウレタンの特性上、水に濡れた状態で熱を掛けると、劣化や染料による吐き出しが起こります。劣化を早めてしまうため、熱を直接衣類に当てる乾燥機(70度程度)の使用は避けましょう。

では、どのように干したら寿命のあるポリウレタンを少しでも長持ちさせられるでしょうか。

自然乾燥

一番のおすすめは、自然乾燥です。湿気も劣化に影響するため、脱水後すぐに直射日光を避けて、風通しの良い場所で形を整えて干しましょう。
厚手のハンガーを使用して裏返しに干すと、乾きにくい生地の重なっている縫い代が表になるのでおすすめです。

乾燥機を使うなら

乾燥機を使いたい場合は、他の衣類との摩擦を避けるために、畳んで適正なサイズのネットに入れ、低温(60度)の短時間で設定しましょう。
乾燥時に一気に縮む緩和収縮を避けるために完全に乾く前に取り出し、最終仕上げは形を整えて風通しのよい日陰で自然乾燥させるのがポイントです。

アイロンには要注意

ポリウレタンは熱と湿気に弱いので、アイロンにも注意が必要です。設定温度は130℃以下で当て布を使用し、押しのばさないよう注意してスチームは使用しないようにしましょう。湿った状態でアイロンをかけるのはNGです。

まとめ:乾燥機と衣類の表示を確認して正しいケアで長持ちさせましょう

乾燥機を使用する前には、必ず乾燥機の説明書、衣類の洗濯表示を確認しましょう。ポリウレタンは日常に欠かせない便利な繊維です。衣類を快適に長持ちさせるために機械や素材の特性を理解して賢く使いこなしましょう。

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