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押さえておきたい服の素材! 繊維の種類や特徴・機能性を詳しく解説

様々な洋服

服に使われている素材について、どの程度ご存じでしょうか。ポリエステルや綿など、日常でよく耳にする素材でも、意外とその機能性まで把握はできていないかもしれません。服の基本を理解して、最適な選択をするためにも素材の知識は大切です。この記事では、天然繊維から化学繊維まで、主要な繊維素材の特長や機能性を詳しく解説します。

服の素材・繊維の基本

まずは服の素材として、繊維がどのような役割を担っているのかを解説していきましょう。

服を構成する3要素

服は「色調(カラー)」「形状(スタイル)」そして「素材」の3つが調和することで、魅力的なファッションになると言われています。また、素材の特性には、素材となる繊維の特性と繊維を加工した生地の特性の両方があります。特に繊維の特性は、服の基本的な性能を決定する要素として重要です。

参考:第4章 衣生活の設計と創造|文部科学省

服の素材の特性を知るメリット

カラーやスタイルはアイデア次第で無限の可能性を秘めていますが、使える素材には限りがあります。また、素材は服の質感や快適性、機能性などに大きく影響を与える要素です。新素材の発見・開発などにより選べる素材が多様化すれば、その分だけ私たちの豊かな生活につながるはずです。

天然繊維と化学繊維

服に使われる素材には大きく分けて天然繊維と化学繊維の2種類があります。天然繊維は自然の素材を主原料とする繊維、化学繊維は化学的な処理や合成を経て人工的に作られた繊維の総称です。どちらもさらに細分化された分類があり、それぞれユニークな特性を持っています。

天然繊維とは?メリット・デメリットや種類、化学繊維との違いを解説

快適な着心地な風合いの天然繊維素材

繊維素材の内、各天然繊維素材の特徴を詳しくみていきましょう。

綿(コットン)

綿(コットン)は栽培した綿花から生産され、セルロースを主成分とする天然繊維です。繊維の断面を観察すると、天然の撚りがかかり、つぶしたような中空構造になっていることが主な特徴です。ソフトで柔らかな肌触りや高い吸湿性、通気性、保温性に優れています。そのため、アレルギーをお持ちの方や敏感肌の人、および赤ちゃん用の衣服や肌着などに最適な素材と言えるでしょう。また、自然環境に悪影響を及ぼす投入物を避けて栽培された綿花はオーガニックコットンと呼ばれ、環境負荷や労働者の健康に配慮した素材として知られています。

麻(リネン)

麻(リネン)は、亜麻(あま)の茎から取れる繊維のことで、綿(コットン)同様にセルロースを主成分とします。耐久性に優れるほか、吸湿性、透湿性、接触冷感性などの複数の機能による清涼感が特長です。主に夏服に最適な素材といえるでしょう。

羊毛(ウール)

羊毛(ウール)はその名の通り、羊の体毛から作られる繊維のことで、アミノ酸からなるケラチンタンパク質が主成分です。繊維を顕微鏡で観察すると、波状の縮れと鱗状の表面が確認できます。縮れが弾力性や保温性を発揮することに加え、吸湿性が高く蒸れにくい素材であるため、セーターやマフラー等の冬服に最適な素材です。

絹(シルク)

絹(シルク)は、蚕がつくる繭から得られる繊維で、フィブロインとセリシンの2種類のタンパク質が主な成分です。なめらかな光沢としなやかなドレープ性をもった肌触りに加え、吸湿性に優れるといった特長を持ちます。「繊維の女王」とも呼ばれ、古代から貴重な高級品として扱われていました。古くは日本でも総力を挙げて生産され、近代日本経済の礎を築いたとも言われています。

機能性が広がる化学繊維素材

続いて、化学繊維素材のそれぞれの特徴をみていきましょう。

再生繊維

再生繊維とは木材パルプなどの天然原料を化学的に溶かした後、繊維形状に「再生」させた素材のことで、セルロースを主成分としています。代表的な再生繊維には、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどがあります。絹のような光沢と滑らかな肌触りや、吸湿性による蒸れにくさが特長です。

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半合成繊維

半合成繊維とは、セルロースなどの自然由来の原料に化学薬品を反応させて作られています。「合成」とついていますが、絹のような柔らかい風合いと光沢が魅力の繊維です。そのような天然繊維に近い特長だけではなく、加工性が良いことなどのメリットも併せ持っています。

合成繊維

合成繊維は主に石油資源を原料として、化学反応によって合成された高分子材料から作られた繊維のことを指します。維合成繊維の種類は豊富なため、その種類によってさまざまな機能があります。また、人工的にさまざまな機能性を付与できるため、私たちの生活の多くのシーンで活用されているのです。
代表的な合成繊維には、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどがあります。

合成繊維とは? 定義や種類、メリット、天然繊維との違いまで詳しく解説

帝人フロンティアの「ソロテックス」は、ポリエステル繊維の一つです。合成繊維の基本的な性質に加えて、形態回復性、ソフト感、クッション性、ストレッチ性のような機能が、快適な着心地につながっています。
ソロテックスの特長については下記にて詳しく説明しています。是非ご覧ください。

ソロテックスについて詳しくみる

服の素材を知れば、ファッションや日常も変わる

この記事では、服の繊維素材として、天然繊維と化学繊維の種類、特長、機能性を詳しく解説しました。合成繊維は複数の機能性を持ち、天然繊維は風合いや手触りに優れるなど、素材ごとの異なる強みを理解いただけたはずです。繊維素材の知識は服の洗濯や保管、着心地などを左右する大切な基礎です。この記事を参考に、用途や目的に合わせて最適な素材選びができるよう、知識を役立ててみてください。

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