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ポリエステル繊維の油染みは落ちにくい? 原因と具体的な解決方法を詳しく解説

洋服の油染み

お子さんのいるご家庭では、食事中の食べこぼしや泥汚れなど、汚れのケアが大変ではないでしょうか。
特にお気に入りの服に油染みがついてしまった場合に、「油染みになったら取れない……」と諦めてしまう人も多いでしょう。実は、適切な応急処置と染み抜き方法を知っていれば、汚れがきれいになり衣類が元通りになる可能性は十分にあります。
この記事では、多くの服に使われているポリエステル素材を対象に、油染みの原因から対策、油染みができたときの対処法をわかりやすく解説します。

ポリエステル繊維の油染みが取れない理由

まずは、なぜポリエステル繊維の油染みが落ちにくいのか、その理由を確認してみましょう。

ポリエステルは化学的に油と親和性が高い

一般的にポリエステルを含む合成繊維は、石油を原料としているために水を弾く性質(疎水性)があり、油との親和性が高い素材です。
その中でもポリエステル繊維は、公定水分率が0.4%と疎水性の高い素材として知られています。ポリエステルは水を吸いにくい性質を持つため、洗濯後の速乾性といった機能を発現しますが、油分が付着した場合には落ちにくい性質につながります。

参考:化学繊維の種類

繊維の隙間で油分が固まる

油染みが落ちにくいのは、ポリエステル繊維と油分の化学的な親和性だけが理由ではありません。
ポリエステルに限らず、細い繊維が束になった形状では、表面に凹凸や隙間が存在します。その隙間や凹凸に付着した油分が固まってしまうと、表面を拭いただけでは全ての油分を落とすのは難しくなります。

自分で落とせるナイロン製品の油汚れ。知って得する家庭洗濯のコツ。

ポリエステル繊維の油染みの応急処置

ポリエステル繊維に油染みがついてしまった場合は、応急処置が非常に大切です。具体的な応急処置の方法をご紹介します。

油汚れを優しく拭き取る

服に付着した油汚れを確認したら、油分が広がらないように丁寧に拭き取りましょう。 ティッシュやハンカチを汚れた部分にあて、優しく叩きながら油汚れを吸い取るようにします。また、汚れがついている場所が他にもあるかもしれないため、服全体もチェックしておきましょう。

ティッシュやハンカチで濡らして叩く

服の表面についた油を拭き取った後は、水で濡らしたティッシュやハンカチなどで汚れた部分を叩くように拭きます。このとき、擦るように拭いてしまうと、汚れが繊維の奥に入ってしまい、落ちにくくなるため、注意が必要です。
また、汚れの広がりを抑えるためにも、汚れの周辺から中心に向かって叩きましょう。もし、石鹸や洗剤が手元にあるようであれば、水と一緒にティッシュやハンカチに含ませておくと、汚れが落ちやすくなります。

なるべく早く油汚れを落とす

油染みは時間の経過に伴って落としにくくなっていきます。
汚れが繊維の奥の方に移動してしまうことや、汚れ自体が固まったり変質したりすることがその理由です。外出先で服を汚してしまった場合、応急処置が終わった後は、汚れた服をなるべく早く持ち帰って油染みを早めに落とすことが大切です。

家庭でできるポリエステル繊維の染み抜き方法

応急処置で油汚れを早期に落とした後は、油染みを抜いていきましょう。具体的な方法をご紹介します。
ただし、いずれの方法も、服の素材を傷めてしまう可能性があるため、事前に服の目立たないところで試してから行うことが大切です。

台所洗剤を使って落とす

ポリエステル繊維の油染みを落とす方法の一つに、キッチンにある台所洗剤を使う方法があります。
この方法なら特別な道具や材料を必要とせず、簡単に汚れを落とせます。
具体的な手順は次の通りです。

  1. 油染みの下にあて布をした上で、油染みに洗剤を置きます。
  2. 歯ブラシなどで優しく叩いて、油汚れをあて布に移します。
  3. ブラシに水を含ませて、さらに叩きます。
  4. お湯で服をよくすすいだ後、通常の洗濯をしましょう。

重曹を使って落とす

台所洗剤だけでは落ちにくい油染みの場合、重曹と混ぜ合わせる方法もあります。重曹が入ることで汚れが浮きやすくなり、落ちやすくなる効果があります。
汚れの落とし方は次の順番です。

  1. 油染みの部分に重曹と水を振りかけます。
  2. 重曹の上から台所用洗剤を垂らして、なじませましょう。
  3. お湯や水でよくすすいでから、通常の洗濯をします。

クレンジングオイルを使って落とす

時間が経ってしまった等の理由で、落ちにくい油染みの場合にはクレンジングオイルを使うのも一つの方法です。
やり方は以下の通りです。

  1. 油染みの部分にクレンジングオイルを塗ります。
  2. 数分放置して、クレンジングオイルを染み込ませます。
  3. お湯でよくすすいだ後、通常の洗濯をしましょう。

お手入れがしやすい素材を選ぶという選択肢

油染みは正しい方法で落とせますが、繰り返し洗濯や特殊なケアを行ううちに、生地そのものが弱ってしまうことも少なくありません。そこで注目したいのが、イージーケア性のある高機能素材です。
帝人フロンティアの「ソロテックス」は、洗濯しても形状回復性に優れており、美しいシルエットを保ちやすいのが特長です。さらに、柔らかくしなやかな風合いと高い耐久性を兼ね備えているため、日々のお手入れを気兼ねなく行える点でも安心です。

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ポリエステルの油染みには焦らず適切な処置が大切

この記事ではポリエステルの油染みが落ちにくい理由と、具体的な応急処置方法、家庭で実践できる染み抜き方法を解説しました。特に大切なことは、油染みがついたらすぐに適切な応急処置をすること。
その上で、家庭でできる染み抜きの方法を正しく実践すれば、油染みによって大切な服を諦めなくても良いかもしれません。正しい染み抜き方法を知り、油染みを気にせず、家族や子どもとの時間を楽しんでみてください。

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