軽量で温かくソフトなカシミヤストール。普段使っていると、どうしてもシワは避けられません。カシミヤと言えば高級素材というイメージだと思いますが、安易にアイロンをかけていいものか悩みどころではないでしょうか。

そこで今回は、正しいカシミヤのシワ対策をご紹介します。

カシミヤとは

カシミヤは市場に出回る獣毛の中で一番細く、繊細な希少繊維です。だからこそメリットとデメリットがあります。

注意点

極細の繊維の扱いで特に注意することは、過剰な水分を与えないことと摩擦を起こさないことの2つです。

繊維は水分を吸って吐きだす機能がありますが、その種類によって程度が違います。極細繊維の許容吸水量は極端に少なく、処理できずに水シミになりやすいのです水濡れなどに注意しましょう。

また、摩擦で生地の表面に力が加わると、繊維が脱落したりつぶれたりして毛玉、繊維切れ、テカリの原因になります。カシミヤは、極細繊維ゆえに他の繊維よりもこれらの現象が発生しやすくなります。

正しいお手入れ

では、カシミヤの注意点を踏まえて正しいお手入れを始めましょう。

アイロンの掛け方

まず、取扱い表示のアイロンマークを確認しましょう。アイロンマークのドット「・」数に合わせて温度を設定します。

アイロンは、浮かしアイロンをします。アイロン面を押しつけると、毛がつぶれてしまうので、生地にアイロンを直接当てずに、スチームを当てるようにしましょう。

アイロンは一方通行で動かします。ランダムにかけると、毛並みが乱れてしまうので、注意が必要です。

また、アイロンの蒸気がこもらないようにすることも大切です。通気性のよいアイロン台に広げるか、ハンガーに掛けた状態でスチームを当てるのがおすすめです。

アイロン以外の方法

直接アイロンを当てるのが怖い場合は、お風呂を沸かす時にカーテンレールと突っ張り棒1本を平行に設置し、2本の棒にストールを広げて掛け、お風呂の蒸気をじっくりあてる方法もあります。これは、アイロンの掛けにくい大判ストールにおすすめの方法です。

ブラッシング

仕上げに、天然毛の洋服ブラシで一方方向にブラッシングを行いましょう。毛の流れが整い、風合いと光沢感が戻ります。カシミヤには、ソフトな馬毛ブラシの使用がおすすめです。

普段のお手入れでシワ防止

獣毛はもともと弾力性のある繊維なので、普段の扱い方次第でシワの発生を押さえることができます。

着用後

着用後は、必ず広げて干すようにしましょう。その日のシワは、その日にうちに解消するのがポイントです。湿気を抜いてリラックス状態を作り、弾力の回復を図ることができます。

そして、しっかり休ませることも大切です。連日の着用は控え、1回着用したら2-3日休ませてシワが自然回復する時間を与えましょう。

ブラッシングをすると繊維の間のチリホコリを取って毛並みを整え毛玉防止、風合いが生き返ります。2-3回に1回の頻度で問題ありません。

保管

次のシーズンをより快適に過ごすためには、シーズンオフの保管方法が重要です。虫食いの被害にあいやすいため、長期保管の前には虫のえさになる汚れやほこりなどをしっかり除去しましょう。

シワや湿気がこもることを防止できるので、広げてハンガーに掛けての保管がおすすめです。畳む場合は、角のないものにふんわり巻きつけて衣類の下敷きにならないようにしましょう。保管の際には、防虫剤も忘れず添えてください。

まとめ：普段のケアでシワのないカシミヤストール楽しもう

アイロンケアも可能ですが、普段のケアで十分にシワの発生は防げます。普段のケアでカシミヤ本来の回復を助けてシワを防止しましょう。たしかにカシミヤは繊細でデメリットも多いですが、自然に回復する力ももっています。正しいお手入れと保管を心がけて、カシミヤストールを楽しみましょう。